本郷駅前校便り

子育て

発達障害について

名古屋市立中学校で勤務していた37年間で、学級担任として関わった生徒の中に、こだわりがとても強かったり、落ち着きがなく常に動いていたりと、今から考えると発達障害の傾向がある生徒がいました。
今回は、その特徴や関わり方などについて述べてみます。保護者の方のご参考になれば幸いです。

発達障害
「発達障害」とは「発達」の進みかたに早いところや遅いところ(発達の凸凹と表現することがあります)があって、そのせいで苦手なことや上手くできないことが増えて、生活や仕事で困ってしまうことを言います。

どんなことが起こりやすいの?(特性)
発達障害の人は学校や仕事場で困ることがあります。ノートが取れなかったり、先生の言っていることが聞き取れなかったり、上手く会話ができなかったりすることがあるからです。生活する上でも家事がうまくできなかったり、周りの人と上手く話せなかったりすることで困ることがあります。
また、見たり、聞いたりすることが普通の人よりも得意すぎて辛くなってしまう(音が大きく聞こえすぎてしまったり、たくさん見えすぎてわけがわからなくなってしまう(感覚過敏)こともあります。

発達の凸凹(特性と表現することがあります)は、ひとりひとり違います。起こりやすい例をあげます。

乳児~幼児
やたらと泣く、あるいは全然泣かない
言葉の遅れ
マイペースな行動が多い
抱っこを嫌がる
かんしゃくがすごく強い
よく動き回り、危なくて目が離せない

学齢期
落ち着きがなく注意力散漫
読み書きが苦手
片付けや整理が苦手、忘れ物が多い
友人とのトラブルが多い
空気を読まない発言が多い
身なりを気にしない

成人してから
仕事のミスが多く、長く仕事が続けられない
面接などが苦手で、仕事に就けない
普通に話しているつもりでも、相手を不愉快にさせてしまう
家事がうまくこなせない
自分の子どもやパートナーの気持ちが理解できず、共感できない

小さいころは、特徴が目立たないこともあります。年齢があがり、自分でやらないといけないことや、求められる役割が増えて、困りごとが大きくなって、まわりや本人が気づくことがあります。

〇どうしたら生活しやすくなるの?
発達の凸凹のしかたが人それぞれなので、困りごとも人によって違います。その人にあったオーダーメイドの生活のしかたを考えます。長所を伸ばし、短所は工夫して補い、できないことは無理せずに周囲の人にお願いします。

〇障害がある人はどれくらいいるの? 原因は?
だいたい100人に6〜7人の人が「発達障害」の可能性があると言われています。
「発達障害」は元々その人が持っている特徴なので、ある日突然そうなったり、努力しないからなったりするものではありません。「発達障害」になぜなるかはまだよくわかっていません。人間の脳の働き方の問題と言われていますが、今のところ「そうかもしれない」ということで、理由がはっきりとはしてないのです。

〇(親が発達障害のとき)子どもの安心のためにできることは
親御さんが発達障害の特性ゆえに子どもとうまく関わることができなくなっている場合があります。例えば、感覚過敏の問題があるためにスキンシップが十分にできない、こだわりがあって子どものことをそっちのけで別のことをしてしまうことがあります。
その様子を見て、子どもは自分が悪いから、自分のことが嫌いだからなのではないかと思ってしまうことがあるので、それは誤解であることを説明してあげてください。また、社会性やコミュケーションに苦手さがあるため、子どもにも不適切な人との関わり(たとえば自分がどんなに大変な状況であったとしても、人に助けを求めることは許されないなど)を強要している場合もあります。その際は、子どもになぜそういった人との関わりをしているのかを丁寧に聞いた後で、周囲の方が適切な関わり方を伝えられると良いでしょう。

現在、小中学校では、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の作成が義務となっています。特別支援学校だけでなく、通常学校でも発達障害の傾向がある子どもについての計画がつくられ、指導・支援、関わりに生かしています。

お子様が発達障害の傾向があると思われるのであれば、まず、学校に相談することをお勧めします。よく「成績が下がる」「学級担任にうるさい親だと思われる」と学校に相談することを避ける保護者の方がいらっしゃいます。しかし、相談したことで成績は変わりませんし、頻繁に苦情を言われたからといって成績は変わりません。大丈夫です。

保護者の方から一番身近な教育機関・相談機関は学校です。先生方で解決できないときには専門機関の力を借ります。専門機関を紹介してくれることもあります。

独りで悩む必要はありません。学校に相談することで、「名古屋市発達障害者支援センター」や「名古屋市教育センター」などを紹介してもらえ、ドクターや臨床心理士から専門的なアドバイスをもらうこともできます。同じような悩みをもつ保護者とつながることもあります。忙しくて時間がないのであれば、学校のスクールカウンセラーに相談してはいかがでしょうか。

保護者の方が悩みを抱えていて、お子様にいい影響を及ぼすことはありません。

最初は勇気がいると思いますが、相談すれば、よりよい方向に向かっていくことができます。

(様々な書物などを参考に、私見を述べました。正確な情報を得たい方は、専門書等をご覧になってください)

発達障害について

名古屋市立中学校で勤務していた37年間で、学級担任として関わった生徒の中に、こだわりがとても強かったり、落ち着きがなく常に動いていたりと、今から考えると発達障害の傾向がある生徒がいました。
今回は、その特徴や関わり方などについて述べてみます。保護者の方のご参考になれば幸いです。

発達障害
「発達障害」とは「発達」の進みかたに早いところや遅いところ(発達の凸凹と表現することがあります)があって、そのせいで苦手なことや上手くできないことが増えて、生活や仕事で困ってしまうことを言います。

どんなことが起こりやすいの?(特性)
発達障害の人は学校や仕事場で困ることがあります。ノートが取れなかったり、先生の言っていることが聞き取れなかったり、上手く会話ができなかったりすることがあるからです。生活する上でも家事がうまくできなかったり、周りの人と上手く話せなかったりすることで困ることがあります。
また、見たり、聞いたりすることが普通の人よりも得意すぎて辛くなってしまう(音が大きく聞こえすぎてしまったり、たくさん見えすぎてわけがわからなくなってしまう(感覚過敏)こともあります。

発達の凸凹(特性と表現することがあります)は、ひとりひとり違います。起こりやすい例をあげます。

乳児~幼児
やたらと泣く、あるいは全然泣かない
言葉の遅れ
マイペースな行動が多い
抱っこを嫌がる
かんしゃくがすごく強い
よく動き回り、危なくて目が離せない

学齢期
落ち着きがなく注意力散漫
読み書きが苦手
片付けや整理が苦手、忘れ物が多い
友人とのトラブルが多い
空気を読まない発言が多い
身なりを気にしない

成人してから
仕事のミスが多く、長く仕事が続けられない
面接などが苦手で、仕事に就けない
普通に話しているつもりでも、相手を不愉快にさせてしまう
家事がうまくこなせない
自分の子どもやパートナーの気持ちが理解できず、共感できない

小さいころは、特徴が目立たないこともあります。年齢があがり、自分でやらないといけないことや、求められる役割が増えて、困りごとが大きくなって、まわりや本人が気づくことがあります。

〇どうしたら生活しやすくなるの?
発達の凸凹のしかたが人それぞれなので、困りごとも人によって違います。その人にあったオーダーメイドの生活のしかたを考えます。長所を伸ばし、短所は工夫して補い、できないことは無理せずに周囲の人にお願いします。

〇障害がある人はどれくらいいるの? 原因は?
だいたい100人に6〜7人の人が「発達障害」の可能性があると言われています。
「発達障害」は元々その人が持っている特徴なので、ある日突然そうなったり、努力しないからなったりするものではありません。「発達障害」になぜなるかはまだよくわかっていません。人間の脳の働き方の問題と言われていますが、今のところ「そうかもしれない」ということで、理由がはっきりとはしてないのです。

〇(親が発達障害のとき)子どもの安心のためにできることは
親御さんが発達障害の特性ゆえに子どもとうまく関わることができなくなっている場合があります。例えば、感覚過敏の問題があるためにスキンシップが十分にできない、こだわりがあって子どものことをそっちのけで別のことをしてしまうことがあります。
その様子を見て、子どもは自分が悪いから、自分のことが嫌いだからなのではないかと思ってしまうことがあるので、それは誤解であることを説明してあげてください。また、社会性やコミュケーションに苦手さがあるため、子どもにも不適切な人との関わり(たとえば自分がどんなに大変な状況であったとしても、人に助けを求めることは許されないなど)を強要している場合もあります。その際は、子どもになぜそういった人との関わりをしているのかを丁寧に聞いた後で、周囲の方が適切な関わり方を伝えられると良いでしょう。

現在、小中学校では、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の作成が義務となっています。特別支援学校だけでなく、通常学校でも発達障害の傾向がある子どもについての計画がつくられ、指導・支援、関わりに生かしています。

お子様が発達障害の傾向があると思われるのであれば、まず、学校に相談することをお勧めします。よく「成績が下がる」「学級担任にうるさい親だと思われる」と学校に相談することを避ける保護者の方がいらっしゃいます。しかし、相談したことで成績は変わりませんし、頻繁に苦情を言われたからといって成績は変わりません。大丈夫です。

保護者の方から一番身近な教育機関・相談機関は学校です。先生方で解決できないときには専門機関の力を借ります。専門機関を紹介してくれることもあります。

独りで悩む必要はありません。学校に相談することで、「名古屋市発達障害者支援センター」や「名古屋市教育センター」などを紹介してもらえ、ドクターや臨床心理士から専門的なアドバイスをもらうこともできます。同じような悩みをもつ保護者とつながることもあります。忙しくて時間がないのであれば、学校のスクールカウンセラーに相談してはいかがでしょうか。

保護者の方が悩みを抱えていて、お子様にいい影響を及ぼすことはありません。

最初は勇気がいると思いますが、相談すれば、よりよい方向に向かっていくことができます。

(様々な書物などを参考に、私見を述べました。正確な情報を得たい方は、専門書等をご覧になってください)