内申点の評価実態、名古屋市が全中学校調査へ 教育長「非常に驚き」
先日の新聞報道について少し述べたいと思います。
まず、絶対評価とはどんな評価なのでしょうか?
名古屋市教育センターHPには次のような記載があります。
絶対評価について
相対評価と絶対評価
集団の中でどのぐらいの位置にいるかで表していた「相対評価」から、目標にてらして学習の到達度をみる、いわゆる「絶対評価」になります。
相対評価
クラスや学年の中でどのくらいの順位にあるかを基準にしてつけられています。「相対」というのは「ほかの人と比べて」という意味です。
絶対評価
一人ひとりが勉強の目標にどれだけ近づいたかをみることになります。ほかの人と比べるのではなく、勉強の内容をどれだけ分かっているかを基準にします。
「絶対評価」に改めた理由
例えば、1年生の数学で分数の計算を習うときに、教師が考えていた目標に、クラスの全員が達したとします。相対評価なら、生徒の中でのわずかな差を見つけて五段階の評定をつけないといけません。一人一人ががんばって分数の計算ができるようになっても、他の人がもっとできるようになっていたら通知表で「1」がついてしまうことがあったわけです。これが絶対評価だと、他の人と比べることはありませんから、全員が計算をできるようになれば(目標に達していれば)「3」以上は必ずつきます。逆に、理解できていなければ全員が「1」になることもあります。このように、絶対評価のよいところは、一人一人が勉強の内容を理解しているかどうかをきちんと測ることができる点です。また、最近は生徒数が昔より減って、クラスや学年の人数も少なくなっているので、相対評価をつけるのが難しくなってきています。相対評価はある程度の人数がいないと正確さがなくなってしまうからです。また、新学習指導要領では教育内容を厳選し、基礎・基本の確実な定着を重視していますから、学習指導要領に示されている内容を確実に習得したかどうかの評価を一層徹底することが必要になりました。そのためには、目標に照らし合わせた「絶対評価」の方が優れています。
※文部科学省は「目標に準拠した」と言います。
どのように評価するのか
(1) 観点別評価について
科の目婦に照らして実現の状況が「十分満足」か∥「おおむね満足」か∥「努力を 要する」か判断して、A、B、Cの三段階に評価します。
A=「十分満足できると判断されるもの」
B=「おおむね満足できると判断されるもの」
C=「努力を要すると判断されるもの」
(2) 評定について
観点別評価と同様に、目標に準拠した評価 (絶対評価)で行います。評定は各教科の学習の状況を総括的に評価するものであり、観点別評価の結果から総括的に判断して行います。必修教科では5段階の評定となります。
5 「十分満足できると判断されるもののうち、特に高い程度のもの」
4 「十分満足できると判断されるもの」
3 「おおむね満足できると判断させるもの」
2 「努力を要すると判断されるもの」
1 「一層努力を要すると判断されるもの」
(3) 評価方法の工夫
この評価を行うためには、まず単元ごとに、その内容がどの目標(観点)を達成するのに役立つかを調べ、目標(評価規準表)を作成しています。これが評価の際の規準となります。また、今までの学習後の評価(総括的な評価)だけでなく、授業の中で分析的な評価をする必要があります。
・・・以上、名古屋市教育センターHPより・・・
評価の3観点とは
さて、報道で話題になっていたのは、評価の3観点と、54321の割合だと捉えています。
評価の3観点とは、
- 「知識・技能」
- 「思考・判断・表現」
- 「主体的に学習に取り組む態度」
です。
では、実際の学校現場では、どのように評価しているのでしょうか?
※ 私の経験(他の教職員の評価も含めて)からお伝えできる範囲で述べていきます。
①「知識・技能」
5教科で、小テストや定期テストの得点から評価します。高いか低いかが最も分かりやすい観点でしょう。
②「思考・判断・表現」
5教科で、授業中の学習シートの記述内容や、提出物から評価します。また、定期テストの問題の中でも「思考・判断・表現」と問題文に記述があれば、その得点も評価に入っていると考えられます。
③「主体的に学習に取り組む態度」
授業中の学習態度、ノートや学習シートなどの提出物について、主体的に(一生懸命に)取り組んでいるかを評価します。
可視化しやすい順に、①、②、③と並んでしまいますね。
特に、③については、教科担任は、保護者様から問い合わせがあった際に説明できるよう、評価資料を残しています。すべて客観的な評価とまでは言えないかもしれませんが、その数から信頼できるものになっている場合ばかりです。
よく「先生に好かれているから上がった」「〇〇先生に嫌われているから下がった」という声を聞きますが、そんなことは全くありません。
先生方は、説明責任を果たすことができるよう、数値化した評価資料を作成しています。感情が入る余地はありません。
また、「評定一覧表」という資料があります。
学校によってシステムが若干異なるかもしれませんが、教科担任⇒学年主任⇒教務主任⇒教頭⇒校長が確認し、「押印」することになります。「嫌いだから」と評定を下げるような不自然な下がり方などは、ここでしっかりとチェックされます。
また、評価・評定に「納得いかないけど、先生に睨まれるから理由を聞けない」という声も聞きますが、学校に問い合わせをしても、「睨まれる」ことはありません。
実際に、数は少ないですが、毎学期数人の問い合わせがありました。管理職になってからは立ち会うことも数多くありましたが、問い合わせを受けた教科担任が不満に思うようなことはありませんでした。
5、4、3、2、1の割合について
さて、最も興味があるのは、5、4、3、2、1の割合についてでしょうか・・・。
かつての絶対評価では、
5・・・10%
4・・・20%
3・・・40%
2・・・20%
1・・・10%
と厳密に割合が決まっていました。教科担任として評定をつける際にとても時間をかけた記憶があります。
では現在はどうなっているのでしょう・・・?
「絶対評価」の基本的な考え方通りであれば、統計的には、ほぼ相対評価の分布になるということを聞いたことがありますが、生徒数の少ない学校や、千種区や名東区のような教育熱心なご家庭が多く、学習に意欲的な方が多い学校では、5、4の割合が高くなる可能性があります・・・。
しかし、現実には・・・。
「ブラックボックス」ですね・・・。
評価・評定については、「守秘義務」の関係で、記載できるのはここまでです・・・。
WEB上では、現役教員を名乗る方の「(他府県でも)同様な指示を受けた」「教育委員会から職務命令と言われた」「入試で内申を使わなければいい」など、様々な意見(?)が見られました。
私も、退職して5年になりますが、「守秘義務」がありますのでこれ以上は・・・。
中学生ご本人も保護者の皆様も非常に関心の高いことがらだと思います。「〇〇ではないか?」「いや、●●だろう。」などと憶測を招くことがないように、この報道をきっかけにして、できる限りオープンになることを期待しています。