本郷駅前校便り

子育て

「不登校の数を二つに分けて把握する」  国立教育政策研究所HP・生徒指導リーフより抜粋

年末年始に、教育関係、入試関係の資料を読んでいて見付けた記事の中から、興味深いものを見付けました。

学習、入試には直結しない話題ですが、子育てのなかでとても重要な部分だと考えますので、既にご存じの方もいらっしゃるかと存じますが、載せさせていただきます。

生徒指導リーフには他にも貴重な調査や記事がありますので、是非一度ご覧になってください)

国立教育政策研究所の生徒指導リーフ最新版からの抜粋です。

〇 中学校の継続数に着目すると,不登校状態が解消する数は学年を追って増 えることが分かる。

〇 中学校の新規数に着目すると,不登校数の増加は特定学年の現象ではなく, 中学校全体に見られる現象であることが分かる。

不登校数の推移から受ける従来の印象 文科省調査(「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」*2 )の不登校 数の推移から,従来はどのような印象を受けてきたのかを示してみます。

中 1 や中 2 になるときに,急増するように見える 全国の「不登校児童生徒数 ( 以下,不登校数)」を見ると,学年を追って雪だ るま式に増え続けるような印象を受けます。一部の不登校児童生徒は学校復帰 している事実があるにもかかわらず,単純に増え続けるように見えるのは,なぜなのでしょうか。

そうした現状を的確に把握するためには,不登校数を「継続数(前年度も不 登校であった児童生徒の数)」と「新規数(前年度は不登校ではなかった*1児 童生徒の数)」とに分けて考えてみる必要があります。

このように分けることで,不登校数が学年を追って増え続けるのは,不登校 状態が解消される児童生徒がいる一方で,それを上回る数の不登校児童生徒が 新たに出現しているためであることが,確認されました。

これを受けて、生徒指導リーフには、次のような手だてについて記述してあります。

〇 不登校生徒に対しては、 「社会的自立を目指す不登校児童生徒への支援」を行う。

〇 新規に不登校生徒を生み出さないように、全児童生徒に対して、教職員が 「不登校が生じない魅力ある学校づくり」を行う。

文字にすると簡単ですが、多忙な先生方がどれだけできるのか、不安が残ります・・・。

では、家庭でできることはどんなことでしょうか?

よく言われることですが、「自己肯定感」「自尊感情」を高める関わりが大切です。

自分にも覚えがありますが、子どもの、できないところに着目するのではなく、「できることを褒める」「結果ではなく、頑張った過程を褒める」ことが大切なのではないでしょうか。

また、少なくとも、保護者が日頃から子どもの存在そのものを認め、子どもの「自己肯定感」や「自尊感情」が低くなることはないでしょう。

万が一、子どもの様子がおかしいと感じた場合には、担任の先生に相談してみましょう。担任の先生へんぼ相談に抵抗があるようであれば、スクールカウンセラーに相談することをお勧めします。

学級担任を通して申し込むことを躊躇されるのであれば、学校に電話してみましょう。教務主任か教頭が電話に出ると思います。その際に「スクールカウンセラーに相談したい」と言えば予約ができます。
学校によって相談窓口が違いますが、「教頭」が窓口になっている学校が多いと思います。

スクールカウンセラーには、守秘義務がありますので、「先生方には言わないでほしい」と申し出れば、秘密は守ってもらえますので安心して相談できます。

在職中、実際に私が生徒のことを尋ねても、スクールカウンセラーが「答えられません」と言うことがありました。

お子様が不登校になったからと悩む保護者の方の気持ちはよく分かります。自分の子どもも一時期不登校でした。言葉にできないほど不安な気持ちになりました。

時間を戻すことはできません。今後に目を向けて、どのようにしたら改善するのかを考えるべきです。このときに、自分だけで抱え込むのではなく、専門的な立場からのアドバイスを受けることが有効ですし、不安も軽減されます。

お忙しいなか、学校に行き、相談することは難しいでしょうし、抵抗があるかもしれませんが、それを圧してでも、スクールカウンセラーに相談してください。

不登校の改善には、時間が掛かる場合があります。しかし、不登校を経験してから社会に出て、自立して生活している方は少なくありません。

学校に通わせることがゴールではなく、将来お子様が社会的に自立することを目指して支援していくことが大切だと考えます。

毎日、お子様の笑顔が見られる日が、必ずやってくると信じて根気よく関わることが大切だと思います。