本郷駅前校便り

子育て

コーチングの手法を取り入れてみませんか?

「コーチング」はスポーツの世界で選手を支援する方法(スポーツ・コーチング)として始まったようです。

現在は、広義に使われ、ビジネス、教育の現場で活用されています。「カウンセリング」の手法のように臨床心理学に基づいているのでしょう。

「カウンセリング」と異なるのは、より積極的に対象者に関わり、変容を促すことにあるのではないかと思います。

ここでは、私が学習した「カウンセリング」「コーチング」について、子育て、ご家庭でのお子様への関わり方について少し私見を述べさせていただきます。

基本的に「子どもたちは、すでに才能の芽をもっている」という前提の上で関わります。この才能の芽から、将来立派な花を咲かせることができるように支援することが大切です。

それは、どのような支援でしょうか?

まず、次の3つを子どもに教えることから始めましょう。

コーチング 3つのキーワード

〇 愛すること

子育ての上で最も大切なことが「愛すること」を教えることです。

「愛すること」を知っていると、自分自身を愛せます。これが自己肯定感につながります。「自己肯定感」とは、簡潔に表わすと「いろいろなことがあっても私は私のことが好き。私は私のままで大丈夫」という気持ちです。これは、人が生きていくために最も基本的な力となります。

「愛すること」を教える方法は、子どもを愛すること、子どもが「愛されている」と感じることです。そのためには、子どもの側にいて見守り、スキンシップをとり、子どもの声に耳を傾け、「大好き」と言葉で伝えましょう。

〇 責任

「責任」とは、望んだ結果を手に入れるため、自分の行動を選択する能力です。「責任」を知っている人は、前向きで自発的、能動的です。

「責任」を教えるには、子どものやることに余計な手出しをしないことです。子どもがやるべきこと(学校の支度、宿題など)はすべて子ども自身の仕事です。子ども自身が責任をもって行動し、失敗から学ぶ試行錯誤することが大切です。その中で原因と結果のサイクルを学び「責任」を身に付けていきます。

ただ、「余計な手出し」をしないことと、「放任」は違います。常に子どもを観察し、最低限のサポートすることも必要です。

〇 人の役に立つ喜び

「人の役に立つ喜び」とは、人が本来もっている「誰かの役に立ちたい」「誰かの力になりたい」という気持ちが満たされたときの心地よさ、喜びのことです。

「自己肯定感」ではなく「自己有用感」ともいわれます。

「〇〇してくれて助かったよ。ありがとう」と喜ばれた子どもは、また相手の役に立つことをするようになります。自分の力を人のために使おうという姿勢が身に付いていきます。

この経験が、感謝されることがなくても誰かのためになることが嬉しいと感じるようになり、意欲や思いやりにつながります。人としてとても健全な動機付けです。

コーチング やる気アップで伸びる6つの力

1考える力  必要なのは「答え」ではなく「問い」

考える力を育てるには、質問をすることです。

「宿題を教えてほしい」と子どもが言ってきたら、すぐに教えるのではなく、「どういう問題?」と質問し、「最初はどう考えたの?」「どこまで分かったの?」などと一つ一つ質問して子供に考えさせましょう。

普段の生活の中でも、結論を伝える前に質問をしましょう。

外出する際に「何時までに家を出たらいいかな?」、買い物に行く際に「今日は何が必要だと思う?」など。

論理的に考えることができない場合、もどかしさをおぼえるかもしれませんが、焦らず、子どものペースに沿って考える力を伸ばしていきましょう。

2 有能感  失敗は「試行錯誤」の大チャンス

有能感とは「やってみよう」「できそう」という気持ちです。

幼少期の子どもは、何でもできる、何でもやりたいという気持ちのかたまりです。

様々な経験を重ねるうちに「できることもある。できないこともある。」ということが分かってきます。

親の役割は、子どもが沢山の失敗と試行錯誤、成功の過程を経験することをサポートすることです。ただ、「2度と立ち上がれないような失敗」はさせないよう見極める必要もあります。子どもの「やってみよう」「できそう」という気持ちが維持できるように見守ることが大切です。

もし、子どもが失敗したときには、できたところまでを褒めましょう。

「これはできたね。よく頑張ったね!」と子どもが達成したことを一緒に認めることが大切です。

3 決断力  「指示・命令」ではなく「選択」させる

決断力は、葛藤する力でもあります。様々なものを比較し、悩んで「自分の意志」で決断する力です。「責任」を学ぶ過程に通じる部分があります。

葛藤の中で、自分の価値観や考え方を知り、自分自身を知ることができます。

様々な選択をするように促しましょう。「早く勉強しなさい」ではなく、「何時から勉強する?」などと子どもに選ばせましょう。

4 交渉力  論理的に考えることが不可欠

子どもが高価なものをほしいと訴えたとき、習い事をしたいと訴えたときには、真剣な希望であれば、交渉力を伸ばすチャンスです。

まず、ほしい理由をよく聴きましょう。その後、費用や問題点について親の意見を伝えます。そして、問題点をどのように解決するのかを考えるように促し、交渉するように求めます。

ほしいものを手に入れるため、相手の気持ち、意図を汲み、様々なことがらについて考える作業が、論理的思考や交渉の能力を育てます。

5 耐性  集中力を高める

「耐性」とは、我慢する力です。ほしいもののために、他のものをあきらめる、したくないことをするという力です。耐性は、責任を教える過程で身に付いていきます。

勉強するタイミングを任された子どもは、遊びたい気持ちを自分で抑えて机に向かうことができます。しかし、親が「早く勉強しなさい」と言えば、子どもは自分の気持ちを抑えるのではなく、親に反発します。

どんな子どもも、本当にほしいもののためには大変な我慢強さを発揮します。

子どもが大勢を発揮しているのを見たら「頑張ってるね。応援しているよ!」と声を掛けて励ましましょう!

6 マネジメント力  親の見本が子どもを励ます

自立するためには、自分の人生をマネジメントする力が必要です。子どもにマネジメントを圧しあるには、親自身が自分の人生をマネジメントして見せることが最も有効です。

自分の目標を離して聞かせ、期限のある計画を立てて実行し、達成するまでのプロセスを子どもと共有します。仕事でも、趣味でも、体力づくりでもいいのです。

努力の仕方を考え、様々な工夫を凝らす姿を見せます。子どもはそれを見て学び、目標を達成しようとするでしょう。

いかがでしたでしょうか? 

日頃のお子様への関わり方の中に、コーチングの手法は取り入れられていらっしゃいましたか?
もしそうでなければ、コーチングについてほんの少しでも心に留めていただき、お子様に関わられることをお勧めします。

長文失礼しました。最後までお読みいただきありがとうございました。